感染性肝囊胞31例の検討

肝囊胞は無症状で臨床的に問題となることは少ないが,稀に感染を起こすことがある.当院で2014年から2024年の10年間で経験した31例について,併存疾患,血液生化学検査,囊胞穿刺液の培養結果,治療について検討した.8例(25.8%)で胆道疾患を併存していた.囊胞液の培養検査は27例施行し,12例(44.4%)が陽性であった.血液培養は30例検査し,5例(16.6%)で陽性であった.起因菌はEscherichia coli(6例)が最多であった.治療は全例で抗菌薬投与が行われ,8例で単回穿刺,19例で持続ドレナージを施行した.全例が軽快退院した.待機的に4例で外科的手術を行った....

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Published in肝臓 Vol. 66; no. 2; pp. 31 - 38
Main Authors 髙平, 順朗, 田中, 紘介, 桒野, 哲史, 鈴木, 秀生, 本村, 健太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 01.02.2025
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.66.31

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Summary:肝囊胞は無症状で臨床的に問題となることは少ないが,稀に感染を起こすことがある.当院で2014年から2024年の10年間で経験した31例について,併存疾患,血液生化学検査,囊胞穿刺液の培養結果,治療について検討した.8例(25.8%)で胆道疾患を併存していた.囊胞液の培養検査は27例施行し,12例(44.4%)が陽性であった.血液培養は30例検査し,5例(16.6%)で陽性であった.起因菌はEscherichia coli(6例)が最多であった.治療は全例で抗菌薬投与が行われ,8例で単回穿刺,19例で持続ドレナージを施行した.全例が軽快退院した.待機的に4例で外科的手術を行った.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.66.31