医療的ケア児におけるアンメットメディカルニーズ
2021年6月の法改正に伴い,わが国の医療的ケア児の就学,保育の選択肢が広がり通常学級への進学も可能となった.近年の医療技術の進歩に伴い,人工呼吸器や専用のバギーなどの医療機器による介助があれば,通常学級へ登校,登園も可能となるケア児が増え,ケア児本人や家族の希望が実際の就学に反映されるようになりつつある.しかしその一方で,学校や保育園でのバリアフリー化に始まる受け入れ体制,看護師などの人員配置,人工呼吸器や胃ろうなどの医療機器のメンテナンスなどが十分に準備されておらず,現場負担の増加が課題となっている.さらに医療的ケア児はこの10年で2倍に増え,今後もさらに増えることが考えられることから,行...
        Saved in:
      
    
          | Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual61; no. Abstract; p. 106_1 | 
|---|---|
| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            公益社団法人 日本生体医工学会
    
        2023
     Japanese Society for Medical and Biological Engineering  | 
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 1347-443X 1881-4379  | 
| DOI | 10.11239/jsmbe.Annual61.106_1 | 
Cover
| Summary: | 2021年6月の法改正に伴い,わが国の医療的ケア児の就学,保育の選択肢が広がり通常学級への進学も可能となった.近年の医療技術の進歩に伴い,人工呼吸器や専用のバギーなどの医療機器による介助があれば,通常学級へ登校,登園も可能となるケア児が増え,ケア児本人や家族の希望が実際の就学に反映されるようになりつつある.しかしその一方で,学校や保育園でのバリアフリー化に始まる受け入れ体制,看護師などの人員配置,人工呼吸器や胃ろうなどの医療機器のメンテナンスなどが十分に準備されておらず,現場負担の増加が課題となっている.さらに医療的ケア児はこの10年で2倍に増え,今後もさらに増えることが考えられることから,行政のさらなる支援が望まれると共に,医療従事者,患者家族だけでなく臨床工学技士や保育士の教育も含めた,医療的ケア児に対する支援と受け入れに対してのグランドデザインを明確にすることが喫緊の急務である.これまでの「障害がある児童は障害支援学校へ」という紋切り型な切り分けではない,通常保育や通常学級の中での新しい医療的ケア児の支援について国内動向および聴覚過敏児童支援の研究事例を新時代のアンメットニーズとして紹介し,生体医工学分野での支援について話題提供を行う. | 
|---|---|
| ISSN: | 1347-443X 1881-4379  | 
| DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual61.106_1 |