同側の鼠径ヘルニア,大腿ヘルニア術後に発症した閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対して整復後に腹腔鏡下手術を施行した1例
閉鎖孔ヘルニア嵌頓は緊急手術を要する腹部救急疾患の1つであるが,前方アプローチによる同側の鼠径ヘルニア,大腿ヘルニア(鼠径・大腿ヘルニア)術後の場合,手術方法が限定される。症例は64歳,女性。既往に右鼠径ヘルニアおよび大腿ヘルニア手術を有していた。右下肢痛を主訴に救急搬送となり,精査で右閉鎖孔ヘルニア嵌頓の診断となった。発症3時間後に,エコーガイドによる徒手整復を行った。その後経過観察目的で入院とし,整復から8日後に腹腔鏡下手術を行った。Trans-abdominal pre-peritoneal repair(TAPP)法で行ったが,前方アプローチによりメッシュが留置されていたため閉鎖孔のみ...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 44; no. 3; pp. 547 - 550 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
31.03.2024
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Subjects | |
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ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.44.547 |
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Summary: | 閉鎖孔ヘルニア嵌頓は緊急手術を要する腹部救急疾患の1つであるが,前方アプローチによる同側の鼠径ヘルニア,大腿ヘルニア(鼠径・大腿ヘルニア)術後の場合,手術方法が限定される。症例は64歳,女性。既往に右鼠径ヘルニアおよび大腿ヘルニア手術を有していた。右下肢痛を主訴に救急搬送となり,精査で右閉鎖孔ヘルニア嵌頓の診断となった。発症3時間後に,エコーガイドによる徒手整復を行った。その後経過観察目的で入院とし,整復から8日後に腹腔鏡下手術を行った。Trans-abdominal pre-peritoneal repair(TAPP)法で行ったが,前方アプローチによりメッシュが留置されていたため閉鎖孔のみをメッシュで覆った。術後は合併症なく退院した。前方アプローチによる同側のヘルニア術後の場合でも,腹腔鏡下に閉鎖孔のみをメッシュで覆うことで,低侵襲かつ必要最小限の操作で修復を行うことが可能であった。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.44.547 |