ポリグリコール酸シートを用いた 若年者自然気胸の胸腔鏡下手術後再発の検討

自然気胸に対する胸腔鏡下手術において嚢胞切除のみでは切除部位での再発率が高い.術後再発の予防として当院では切除部位にポリグリコール酸 (PGA)シートを被覆している.2004 年から 2016 年までに胸腔鏡下手術を施行した原発性自然気胸症例のうち,40 歳未満の初回手術に対し気漏閉鎖部に PGA シートを被覆した 177 症例 180 側について検討した.180 側のうち 6側(3.3%)の術後再発を認めた.4 側で再手術を施行した.再手術所見では被覆された場所からは気漏を認めず,初回手術時には見られなかった新生嚢胞が術後再発の原因であった.その発生部位はいずれも上葉や S6 であった.従っ...

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Published in日大医学雑誌 Vol. 78; no. 6; pp. 347 - 351
Main Authors 坂田, 省三, 佐藤, 大輔, 四万村, 三恵, 櫻井, 裕幸, 石本, 真一郎, 河内, 利賢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.12.2019
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ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.78.6_347

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Summary:自然気胸に対する胸腔鏡下手術において嚢胞切除のみでは切除部位での再発率が高い.術後再発の予防として当院では切除部位にポリグリコール酸 (PGA)シートを被覆している.2004 年から 2016 年までに胸腔鏡下手術を施行した原発性自然気胸症例のうち,40 歳未満の初回手術に対し気漏閉鎖部に PGA シートを被覆した 177 症例 180 側について検討した.180 側のうち 6側(3.3%)の術後再発を認めた.4 側で再手術を施行した.再手術所見では被覆された場所からは気漏を認めず,初回手術時には見られなかった新生嚢胞が術後再発の原因であった.その発生部位はいずれも上葉や S6 であった.従って,初回手術時に肺尖部のみではなく上葉全体と S6 へも被覆することが,さらなる術後再発率低下へつなげることができると思われた.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.78.6_347