水頭症にて発症し髄液細胞診にて紡錘形細胞が検出された滑車神経鞘腫の1手術例

急速に進行する視力障害で発症した37歳男性. CTおよびMRIにて重度の水頭症と脳底槽左側に境界明瞭な腫瘍性病変を認めた. 入院後, 緊急脳室ドレナージを行い, 後日, 脳室-腹腔シャント留置術と開頭腫瘍摘出術を施行した. 腫瘍は左滑車神経より発生しており, 病理組織診断より神経鞘腫と診断された. 術前の髄液検査ではタンパク濃度の上昇を認め, さらに髄液細胞診にて腫瘍の一部と考えられるspindle cellが多数検出された. 神経鞘腫に水頭症が併発する原因として, これらが関与していた可能性がある....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 31; no. 4; pp. 254 - 258
Main Authors 菊山, 薫, 黒住, 和彦, 鮫島, 哲朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経外科コングレス 2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.31.254

Cover

More Information
Summary:急速に進行する視力障害で発症した37歳男性. CTおよびMRIにて重度の水頭症と脳底槽左側に境界明瞭な腫瘍性病変を認めた. 入院後, 緊急脳室ドレナージを行い, 後日, 脳室-腹腔シャント留置術と開頭腫瘍摘出術を施行した. 腫瘍は左滑車神経より発生しており, 病理組織診断より神経鞘腫と診断された. 術前の髄液検査ではタンパク濃度の上昇を認め, さらに髄液細胞診にて腫瘍の一部と考えられるspindle cellが多数検出された. 神経鞘腫に水頭症が併発する原因として, これらが関与していた可能性がある.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.31.254