指定難病を理解する 司会のことば

日本での公的な難病対策は1972年10月に厚生省が発表した難病対策要項が初めであり, スモン病など8疾患が指定された. その後1996年には, 希少性, 原因不明, 効果的な治療法が未確立, 生活面への長期の支障(長期療養を要する), の要件を満たすものを難病とし364疾患が指定されたが, これはあくまでも"難病対策における研究事業の対象として指定されている疾患"の数であり, 福祉サービスなどの障害施策の対象となった疾患130疾患, 医療費助成の対象となった疾患数は56疾患であった. 近年の医療社会, 経済社会情勢の著しい変化から, 新制度の成立が強く求められ, 2014年...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 121; no. 9; p. 1213
Main Author 飯野, ゆき子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.09.2018
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.121.1213

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Summary:日本での公的な難病対策は1972年10月に厚生省が発表した難病対策要項が初めであり, スモン病など8疾患が指定された. その後1996年には, 希少性, 原因不明, 効果的な治療法が未確立, 生活面への長期の支障(長期療養を要する), の要件を満たすものを難病とし364疾患が指定されたが, これはあくまでも"難病対策における研究事業の対象として指定されている疾患"の数であり, 福祉サービスなどの障害施策の対象となった疾患130疾患, 医療費助成の対象となった疾患数は56疾患であった. 近年の医療社会, 経済社会情勢の著しい変化から, 新制度の成立が強く求められ, 2014年に「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病医療法)」が制定された.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.121.1213