筋のボリュームを考慮した次世代筋骨格モデルの開発とその展開

人体筋骨格系の構造と機能をコンピュータ上で表現した人体筋骨格モデルは、人体運動の逆動力学計算や順動力学計算を行うためのツールとして、バイオメカニクス関連分野で幅広く利用され、欠かせないものとなってきている。しかし、現在普及している筋骨格モデルでは、筋肉をボリュームのない直線や折れ線として単純化してしまっているため、肩周辺など多数の筋が重なり合う部位の筋の位置をうまく表現することができず、バイオメカニクス関連分野の大きな障壁となってきた。また、ボリュームのないモデルでは、MRIやCT画像から得られた個人の形状を反映することが原理的に不可能であり、スポーツやリハビリなど個人を対象にしたフィールドへ...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Abstract; p. 116_2
Main Authors 福田, 紀生, 梅原, 潤, 平島, 雅也, 近田, 彰治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual60.116_2

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Summary:人体筋骨格系の構造と機能をコンピュータ上で表現した人体筋骨格モデルは、人体運動の逆動力学計算や順動力学計算を行うためのツールとして、バイオメカニクス関連分野で幅広く利用され、欠かせないものとなってきている。しかし、現在普及している筋骨格モデルでは、筋肉をボリュームのない直線や折れ線として単純化してしまっているため、肩周辺など多数の筋が重なり合う部位の筋の位置をうまく表現することができず、バイオメカニクス関連分野の大きな障壁となってきた。また、ボリュームのないモデルでは、MRIやCT画像から得られた個人の形状を反映することが原理的に不可能であり、スポーツやリハビリなど個人を対象にしたフィールドへの展開が妨げられてきた。本発表では、近年発表者らが開発した「筋肉のボリュームと変形を考慮した次世代筋骨格モデル(Def Muscle)」において、筋のボリュームや変形を高速に処理するための手法や、MRIやCT画像を忠実に再現するために必要な皮膚・脂肪・筋膜等の結合組織のモデル化やその機能について解説を行う。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual60.116_2