簡秀技術の発想による医療機器の開発

「簡秀技術」とは半世紀も前に森政弘東工大名誉教授が提唱された技術哲学である。問題解決をハイテクや技術の集積で解決するのではなく、視点、発想を変えよりシンプルな解決策を考案することである。森らはネパールの国際協力のために、電気を一切使わず川の流れを用いて船を川上に移動させる方法を考案し、阪大造船学科の回流水槽を用いた模型実験を経てグラスファイバー製の実機を作り、実際にネパールの川で実証してみせた。一般に医療機器は信頼性、安全性を保証するためには構成部品やシステムの簡素化が重要である。また介護分野ではコスト低減と使用者が一般人であるため、大幅にシンプルだが効果的な構成が重視される。研究者の知恵が試...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 130_1
Main Authors 生田, 幸士, 井上, 義則, 渡邉, 督
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.130_1

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Summary:「簡秀技術」とは半世紀も前に森政弘東工大名誉教授が提唱された技術哲学である。問題解決をハイテクや技術の集積で解決するのではなく、視点、発想を変えよりシンプルな解決策を考案することである。森らはネパールの国際協力のために、電気を一切使わず川の流れを用いて船を川上に移動させる方法を考案し、阪大造船学科の回流水槽を用いた模型実験を経てグラスファイバー製の実機を作り、実際にネパールの川で実証してみせた。一般に医療機器は信頼性、安全性を保証するためには構成部品やシステムの簡素化が重要である。また介護分野ではコスト低減と使用者が一般人であるため、大幅にシンプルだが効果的な構成が重視される。研究者の知恵が試される。本シンポジウムでは、脳外科用の次世代低侵襲手術ツールと、大規模震災時に使える防災医工学の研究開発例を用いて説明する。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.130_1