錐体骨の骨欠損を原因とした難治性頭蓋内感染症に対する経頭蓋的修復術の有用性

側頭骨錐体部を介した髄液漏は,稀ではあるものの難治性の頭蓋内感染症を生じることが知られている.その原因には頭部外傷,錐体骨周辺の手術,腫瘍,放射線治療,中耳炎,先天性,特発性などが報告されているが,その原因の如何を問わず,繰り返す髄膜炎や致死的な重症頭蓋内感染症を生じうる.治療には髄液の漏出部位の正確な特定と速やかな閉鎖が推奨されるが,画像診断では同定困難なことが多い.そのため漏出する可能性がある部位を推測して同定することが重要である.本報告では経頭蓋的なアプローチによる欠損部の修復術により良好な経過をたどった治療経験をふまえ,効果的な修復術を達成するための工夫について述べる....

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Published in日大医学雑誌 Vol. 81; no. 4; pp. 213 - 218
Main Authors 大島, 猛史, 吉野, 篤緒, 鴫原, 俊太郎, 大谷, 直樹, 大島, 秀規, 四條, 克倫, 倉田, 原哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.08.2022
Subjects
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ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.81.4_213

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Summary:側頭骨錐体部を介した髄液漏は,稀ではあるものの難治性の頭蓋内感染症を生じることが知られている.その原因には頭部外傷,錐体骨周辺の手術,腫瘍,放射線治療,中耳炎,先天性,特発性などが報告されているが,その原因の如何を問わず,繰り返す髄膜炎や致死的な重症頭蓋内感染症を生じうる.治療には髄液の漏出部位の正確な特定と速やかな閉鎖が推奨されるが,画像診断では同定困難なことが多い.そのため漏出する可能性がある部位を推測して同定することが重要である.本報告では経頭蓋的なアプローチによる欠損部の修復術により良好な経過をたどった治療経験をふまえ,効果的な修復術を達成するための工夫について述べる.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.81.4_213