酪酸ナトリウムと放射線および温熱併用によるアポトーシスの増強効果 : そのメカニズム

ブチル酸 (酪酸) ナトリウム (SB) は食品由来の複合糖質から酪酸菌の発酵によって大腸内に生じることが知られている. 最近の研究で, 分化誘導作用, ヒストン脱アセチル化酵素阻害作用およびアポトーシス誘導作用等, SBの多様な薬理作用が判明し, 治療応用に関する臨床試験も行われている. 著者らの研究ではSBと放射線や温熱との併用は, ヒト結直腸癌細胞株HCT 116細胞に細胞増殖停止効果およびアポトーシス誘導を増強すること, その機序としてミトコンドリアを介在するアポトーシスの内因性経路が活性化することを示した. この総説では併用時の増強機構について考察する....

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Published inThermal Medicine Vol. 26; no. 2; pp. 43 - 50
Main Authors 魏, 政立, 趙, 慶利, マリアム, A. ハッサン, 近藤, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハイパーサーミア学会 2010
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ISSN1882-2576
1882-3750
DOI10.3191/thermalmed.26.43

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Summary:ブチル酸 (酪酸) ナトリウム (SB) は食品由来の複合糖質から酪酸菌の発酵によって大腸内に生じることが知られている. 最近の研究で, 分化誘導作用, ヒストン脱アセチル化酵素阻害作用およびアポトーシス誘導作用等, SBの多様な薬理作用が判明し, 治療応用に関する臨床試験も行われている. 著者らの研究ではSBと放射線や温熱との併用は, ヒト結直腸癌細胞株HCT 116細胞に細胞増殖停止効果およびアポトーシス誘導を増強すること, その機序としてミトコンドリアを介在するアポトーシスの内因性経路が活性化することを示した. この総説では併用時の増強機構について考察する.
ISSN:1882-2576
1882-3750
DOI:10.3191/thermalmed.26.43