急性感音難聴患者における抗ムンプス IgM 抗体陽性率 : 北海道における後向き多施設共同研究

「はじめに:」これまでの報告では, 急性感音難聴患者の5.7~7.2%で抗ムンプスIgM抗体の上昇が認められ, これらは唾液腺腫脹のないムンプス不顕性感染による難聴とされている. しかし, 従来の抗体検出試薬では, 半年以上の長期にわたってIgM抗体が検出される例や, 健常成人においてもIgM抗体が非特異的に検出される例が報告されたため, ムンプス不顕性感染による難聴と診断されていた症例の中に, 非ムンプス難聴症例が含まれていた可能性が指摘されていた. 2009年12月より特異度が向上した新しいムンプス酵素免疫法(EIA)-IgM抗体検出試薬が導入された. それを踏まえ, 今回われわれは新しい...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 122; no. 9; pp. 1267 - 1268
Main Authors 中丸, 裕爾, 福田, 篤, 本間, 明宏, 干野, 季美子, 藤原, 圭志, 小原, 修幸, 森田, 真也, 赤澤, 茂, 坂下, 智博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.09.2019
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.122.1267

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Summary:「はじめに:」これまでの報告では, 急性感音難聴患者の5.7~7.2%で抗ムンプスIgM抗体の上昇が認められ, これらは唾液腺腫脹のないムンプス不顕性感染による難聴とされている. しかし, 従来の抗体検出試薬では, 半年以上の長期にわたってIgM抗体が検出される例や, 健常成人においてもIgM抗体が非特異的に検出される例が報告されたため, ムンプス不顕性感染による難聴と診断されていた症例の中に, 非ムンプス難聴症例が含まれていた可能性が指摘されていた. 2009年12月より特異度が向上した新しいムンプス酵素免疫法(EIA)-IgM抗体検出試薬が導入された. それを踏まえ, 今回われわれは新しい試薬導入以後での急性感音難聴患者の抗ムンプスIgM抗体の陽性率を検討し, 改良前の試薬を用いて過去に当科で検討した急性感音難聴患者群との間で比較検討を行った.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.122.1267