静脈側エアトラップチャンバにおける血液凝固発生原因に関する実験的検討とチャンバ形状の最適化

【目的】静脈側エアトラップチャンバ内で血液流れが滞留すると、チャンバ内で血液凝固が発生すると指摘されている。そこで我々は、①チャンバ長さL、②血液流入口角度θ、③濾過フィルタ形状の違いが滞留の発生に及ぼす影響について、血液回路内に循環させたブタ血液の凝固完了時間(TCOAG)を測定することで定量的な評価を試みた。【方法】ブタ血液を凝固させる際に添加する塩化カルシウムの濃度ごとの活性化凝固時間(ACT)を求めておき、そのデータを元に入手したブタ血液に添加する塩化カルシウム量を調整することで、実験開始前のACTが毎回同じになるようにした。Lが10cmから18cmまで1cm刻みで異なるチャンバを試作...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 334_1
Main Authors 石垣, 秀記, 半田, 寛明, 本橋, 由香, 佐藤, 敏夫, 奥, 知子, 山内, 忍, 島崎, 直也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.334_1

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Summary:【目的】静脈側エアトラップチャンバ内で血液流れが滞留すると、チャンバ内で血液凝固が発生すると指摘されている。そこで我々は、①チャンバ長さL、②血液流入口角度θ、③濾過フィルタ形状の違いが滞留の発生に及ぼす影響について、血液回路内に循環させたブタ血液の凝固完了時間(TCOAG)を測定することで定量的な評価を試みた。【方法】ブタ血液を凝固させる際に添加する塩化カルシウムの濃度ごとの活性化凝固時間(ACT)を求めておき、そのデータを元に入手したブタ血液に添加する塩化カルシウム量を調整することで、実験開始前のACTが毎回同じになるようにした。Lが10cmから18cmまで1cm刻みで異なるチャンバを試作した。θについては、市販の水平流入(θ=0°)と垂直流入(θ=90°)の他にθが15°刻みで異なる15°、30°、45°、60°、75°のチャンバ上部(キャップ)を、耐熱性アクリル樹脂を用いて3Dプリンターで造形した。血液回路内にブタ血液を設定流量200mL/minで循環させ、回路内圧力の経時変化を測定し、回路内圧力が150mmHgを超えた時点をTCOAGと定義した。【結果及び考察】Lを変化させた時のTCOAGを調べたところ、Lが短くなると直線的にTCOAGが大きくなることが再現性を含めて確認できた。また、θを変化させた結果からは、特定のθで最もTCOAGが大きくなる結果が得られた。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.334_1