心内膜側Spiral Wave Reentryを検出する領域分割位相分散解析

致死性不整脈の原因の多くは異常な旋回興奮であるSpiral Wave Reentry(SWR)が成因であると考えられている.SWRは立体構造をもつ心臓においては三次元的な構造を持つことがシミュレーション研究にて示された.三次元的SWRの旋回中心は心筋内にリボン状に存在するフィラメントと考えられ,このフィラメントがSWR持続に重要な役割を持つことが示唆されている.本研究室では,未だ計測が行われていない心室中隔の右室・左室側両面同時光学計測を行い,心室中隔内でのフィラメントの解析を行ってきた.フィラメント導出には,先行研究で心外膜SWRの旋回中心解析に用いられているPhase Variance解析...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S44_2
Main Authors 田中, 義生, 佐久間, 一郎, 柴田, 仁太郎, 本荘, 晴朗, 荒船, 龍彦, 川島, 圭太郎, 富井, 直輝, 山﨑, 正俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual57.S44_2

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Summary:致死性不整脈の原因の多くは異常な旋回興奮であるSpiral Wave Reentry(SWR)が成因であると考えられている.SWRは立体構造をもつ心臓においては三次元的な構造を持つことがシミュレーション研究にて示された.三次元的SWRの旋回中心は心筋内にリボン状に存在するフィラメントと考えられ,このフィラメントがSWR持続に重要な役割を持つことが示唆されている.本研究室では,未だ計測が行われていない心室中隔の右室・左室側両面同時光学計測を行い,心室中隔内でのフィラメントの解析を行ってきた.フィラメント導出には,先行研究で心外膜SWRの旋回中心解析に用いられているPhase Variance解析を用いた.しかし,心内膜の解剖学的な構造物の外縁部に偽陽性と思われる高い位相分散値が導出され,SWR解析を大きく妨げることが明らかとなった.以上の内容から,本研究では心室筋自由壁と乳頭筋を分割してからPhase Variance解析を行うことで,心室心内膜側で発生したSWR旋回中心のみを正しく検出する新たな信号処理手法の開発を行ったので報告する.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S44_2