Bouveret症候群に対して胆嚢切開術を施行した1例

症例は79歳,男性。嘔吐を主訴に前医を受診したところ腸閉塞を疑われ当院を紹介受診となった。身体所見では腹部膨満を認めたが,腹痛は認めなかった。腹部CTでは胆囊から十二指腸下行脚に層状の構造物を認めた。胆石の十二指腸穿通と判断し,胆囊十二指腸瘻および胆石による十二指腸閉塞と診断した。手術は開腹胆囊切開術および胆石摘出術を施行した。胆囊底部に切開をおいて,用手的に胆石を胆囊内に押し出し胆石を摘出した。胆囊内と胆囊背側にドレーンを留置し手術を終了した。術後は栄養管理に注力し,術後48日目に胆囊ドレーンを抜去し,術後52日目に転院した。術後2年3ヵ月経過した現在,症状なく経過している。胆囊十二指腸瘻に...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 44; no. 3; pp. 561 - 564
Main Authors 池永, 雅一, 山下, 雅史, 清水, 潤三, 飯島, 賢, 鈴木, 陽三, 萩原, 清貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.03.2024
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.44.561

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Summary:症例は79歳,男性。嘔吐を主訴に前医を受診したところ腸閉塞を疑われ当院を紹介受診となった。身体所見では腹部膨満を認めたが,腹痛は認めなかった。腹部CTでは胆囊から十二指腸下行脚に層状の構造物を認めた。胆石の十二指腸穿通と判断し,胆囊十二指腸瘻および胆石による十二指腸閉塞と診断した。手術は開腹胆囊切開術および胆石摘出術を施行した。胆囊底部に切開をおいて,用手的に胆石を胆囊内に押し出し胆石を摘出した。胆囊内と胆囊背側にドレーンを留置し手術を終了した。術後は栄養管理に注力し,術後48日目に胆囊ドレーンを抜去し,術後52日目に転院した。術後2年3ヵ月経過した現在,症状なく経過している。胆囊十二指腸瘻による胆石性十二指腸閉塞に対して胆囊切開術を施行した1例を経験したので,文献的考察を交えて報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.44.561