免疫制御療法と呼吸器疾患

肺は外界に開かれた臓器であり,様々な環境刺激に暴露されるという特性を有している.よって,複雑な免疫機構の制御異常は,環境ストレスに対する過剰な生体応答,または,脆弱性をもたらし,様々な呼吸器疾患の発症や病態の進行と深く係わっている.近年,抗体産生や細胞性免疫を制御する複数の治療法が治療オプションとして臨床に登場し,呼吸器疾患の新たな治療法として注目されている.本稿では,アレルギーの根治療法の一つであるアレルゲン免疫療法,膠原病や血管炎を原因として間質性肺炎を呈する難知性病態に対する rituximab の使用,さらに,肺癌に対する免疫チェックポイント阻害薬の最近の知見について概説する....

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Bibliographic Details
Published in日大医学雑誌 Vol. 76; no. 1; pp. 36 - 39
Main Authors 丸岡, 秀一郎, 伊藤, 玲子, 権, 寧博, 橋本, 修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.02.2017
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ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.76.1_36

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Summary:肺は外界に開かれた臓器であり,様々な環境刺激に暴露されるという特性を有している.よって,複雑な免疫機構の制御異常は,環境ストレスに対する過剰な生体応答,または,脆弱性をもたらし,様々な呼吸器疾患の発症や病態の進行と深く係わっている.近年,抗体産生や細胞性免疫を制御する複数の治療法が治療オプションとして臨床に登場し,呼吸器疾患の新たな治療法として注目されている.本稿では,アレルギーの根治療法の一つであるアレルゲン免疫療法,膠原病や血管炎を原因として間質性肺炎を呈する難知性病態に対する rituximab の使用,さらに,肺癌に対する免疫チェックポイント阻害薬の最近の知見について概説する.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.76.1_36