前立腺がん手術後に尿失禁を持つ就労患者の困難と対応のプロセス

目的:前立腺がん手術後に尿失禁を持つ就労患者の困難と対応のプロセスを明らかにする。対象と方法:前立腺がんと診断され前立腺全摘除術後に就労を再開した男性11名を対象に半構造化面接を行い、グラウンデッド・セオリー・アプローチに準じた手法で分析を行った。結果:分析の結果、前立腺がん手術後に尿失禁を持つ就労患者の困難と対応のプロセスは8つのカテゴリー《がんの根治優先ゆえの尿漏れ軽視》《尿漏れにより生じた日常での苦しみ》《尿漏れによる働きづらさへの直面》《尿漏れの理解や支援が得られない苦痛》《尿漏れ改善のための努力》《仕事を維持するために見出した対処》《尿漏れと付き合いながら仕事に打ち込む生活の継続》《...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療看護研究 Vol. 19; no. 2; pp. 11 - 21
Main Authors 櫻井, しのぶ, 中塚, 麻美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人 順天堂大学医療看護学部 2023
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1349-8630
2758-5123
DOI10.60254/jhcn.19.2_11

Cover

More Information
Summary:目的:前立腺がん手術後に尿失禁を持つ就労患者の困難と対応のプロセスを明らかにする。対象と方法:前立腺がんと診断され前立腺全摘除術後に就労を再開した男性11名を対象に半構造化面接を行い、グラウンデッド・セオリー・アプローチに準じた手法で分析を行った。結果:分析の結果、前立腺がん手術後に尿失禁を持つ就労患者の困難と対応のプロセスは8つのカテゴリー《がんの根治優先ゆえの尿漏れ軽視》《尿漏れにより生じた日常での苦しみ》《尿漏れによる働きづらさへの直面》《尿漏れの理解や支援が得られない苦痛》《尿漏れ改善のための努力》《仕事を維持するために見出した対処》《尿漏れと付き合いながら仕事に打ち込む生活の継続》《尿漏れと付き合いながら働く自己の見つめ直し》で構成された。考察:就労患者は、尿失禁により仕事の能力発揮に影響が出ており、労働遂行能力が低下している状態であった。産業看護職はセルフケア及びラインケアが実施されるよう支援する必要がある。医療機関の看護師は、術前から術後の就労生活を見据えて尿失禁について情報提供し、術後は他職種と連携して継続的に支援する必要がある。
ISSN:1349-8630
2758-5123
DOI:10.60254/jhcn.19.2_11