針生検施行後に完全壊死を認めた乳癌の1例
68歳,女性.10年前から当院で左乳房集簇性石灰化の経過観察を行っていたところ,マンモグラフィで左乳房上内側区域に新規出現の境界明瞭な腫瘤を認め,カテゴリー3の判定.超音波で同部位に16mm大の境界明瞭粗ぞうな腫瘤を認め,針生検を施行し浸潤性乳管癌(ホルモン受容体陽性・HER2陰性)と診断した.左乳癌cT1N0M0 stage Iに対し,乳房部分切除術およびセンチネルリンパ節生検を施行.手術で摘出した検体内にviableな癌細胞はなく,壊死を肉芽組織が取り囲んだ結節状の病変のみを認め,腫瘍壊死と診断.手術後に残存乳房を超音波で確認したが,遺残病変は認めなかった.術後治療として放射線照射,内分泌...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 85; no. 1; pp. 15 - 19 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
2024
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| Subjects | |
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| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.85.15 |
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| Summary: | 68歳,女性.10年前から当院で左乳房集簇性石灰化の経過観察を行っていたところ,マンモグラフィで左乳房上内側区域に新規出現の境界明瞭な腫瘤を認め,カテゴリー3の判定.超音波で同部位に16mm大の境界明瞭粗ぞうな腫瘤を認め,針生検を施行し浸潤性乳管癌(ホルモン受容体陽性・HER2陰性)と診断した.左乳癌cT1N0M0 stage Iに対し,乳房部分切除術およびセンチネルリンパ節生検を施行.手術で摘出した検体内にviableな癌細胞はなく,壊死を肉芽組織が取り囲んだ結節状の病変のみを認め,腫瘍壊死と診断.手術後に残存乳房を超音波で確認したが,遺残病変は認めなかった.術後治療として放射線照射,内分泌療法5年間を行い,術後9年再発徴候なく経過している. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.85.15 |