保育園児を持つ保護者のロコモティブシンドローム認知度について

[目的]高齢者におけるロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)認知や理解は進んでいる。一方,若年世代のロコモ認知度の低さや,運動不足や運動過多による子どもの運動器に起こる身体症状が社会問題となっている。ロコモは高齢者だけの問題ではなく,全世代に渡る問題であることを考えていくことが大切である。そこで,ロコモ認知度調査を行い,今後のロコモ予防対策の参考にする。[対象と方法]A・B 保育園年長児の保護者に対して2017年〜2022年に計4回実施した保育園での体力測定会の中でアンケート調査(総計304人)を実施した。[結果]2018年にはロコモを知っている保護者が50%を超え,その後も継続して50%以...

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Published in理学療法さが Vol. 9; no. 1; pp. 35 - 39
Main Authors 満丸, 望, 溝田, 勝彦, 久保, 温子, 仙波, 梨沙, 平尾, 文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 佐賀県理学療法士会 2023
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ISSN2188-9325
2424-2438
DOI10.20813/sagapt.9.1_35

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Summary:[目的]高齢者におけるロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)認知や理解は進んでいる。一方,若年世代のロコモ認知度の低さや,運動不足や運動過多による子どもの運動器に起こる身体症状が社会問題となっている。ロコモは高齢者だけの問題ではなく,全世代に渡る問題であることを考えていくことが大切である。そこで,ロコモ認知度調査を行い,今後のロコモ予防対策の参考にする。[対象と方法]A・B 保育園年長児の保護者に対して2017年〜2022年に計4回実施した保育園での体力測定会の中でアンケート調査(総計304人)を実施した。[結果]2018年にはロコモを知っている保護者が50%を超え,その後も継続して50%以上のロコモ認知度を維持している。一方,子どもロコモについて知っている保護者は2022年の調査においても20%弱となった。[結論]ロコモ認知度80%を達成するには若者世代のロコモに無関心な層により働きかける必要ある。また,本調査で子どもロコモの認知度の低さが明らかとなった。今後は本調査をきっかけに,子どもを持つ保護者への発達段階における運動器疾患に関わる知識の普及,および発達段階における運動器疾患の早期発見について,より詳細な研究と実践を進める必要がある。
ISSN:2188-9325
2424-2438
DOI:10.20813/sagapt.9.1_35