日本の長所を活かした生体医工学科構想
欧米、中国、アジアの研究大学には20年以上前から存在する生体医工学分野の学科、専攻は日本では希少である。人材育成を忘れ、企業や一部の大学、研究機関を中心に開発費の提供する日本の行政手法は新産業育成の基本から外れている。本学会では2015年から生田や石原、橋爪らME推進委員会の委員長らを中心に、生体医工学分野の学科、専攻の新設促進を模索し、大会でシンポジウムを開催してきた。本シンポジウムでは、すでに学科、専攻を開設運用されてこられた教授をお招きし、教育、運営上の課題などを講演いただき、現在学科の新設を企画検討中の会員の知的支援を目的としている。日本が得意とする科学技術分野の活用だけでなく、学部時...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Abstract; p. 71_1 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual60.71_1 |
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Summary: | 欧米、中国、アジアの研究大学には20年以上前から存在する生体医工学分野の学科、専攻は日本では希少である。人材育成を忘れ、企業や一部の大学、研究機関を中心に開発費の提供する日本の行政手法は新産業育成の基本から外れている。本学会では2015年から生田や石原、橋爪らME推進委員会の委員長らを中心に、生体医工学分野の学科、専攻の新設促進を模索し、大会でシンポジウムを開催してきた。本シンポジウムでは、すでに学科、専攻を開設運用されてこられた教授をお招きし、教育、運営上の課題などを講演いただき、現在学科の新設を企画検討中の会員の知的支援を目的としている。日本が得意とする科学技術分野の活用だけでなく、学部時代の解剖学、生理学、生化学など基礎医学との融合教育が必須となる。筆者は2008年から2013年までの名古屋大学工学部のGCOE(グローバルCOE)プロジェクトで、学部と修士課程の工学部学生に医学部の解剖実習に合流して関節や臓器を触ることで、人体の力学特性の体感と空間把握を得るプログラムを含めた。さらにUCLAと研究協定を締結し、海外のバイオエンジニアリング学科の学生、教員との交流を深めるため年間2回の国際交流企画を実行した。これらの効果は生体医工学分野の研究で博士取得した学生が増強されたことが収穫となったが学科増設には至っていない。 |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual60.71_1 |