公立病院再編による経営改善効果に関する研究

【目的】 本研究の目的は,公立病院再編による経営改善効果について定量的に測定し,評価を行うことである。 【方法】 地方公営企業年鑑において統合前後3年間のデータがある統合病院についてウィルコクソン符号順位検定により統合前後の変化を検証した。評価指標は,医業収支比率,経常収支比率および医師数とした。 【結果】 解析対象は18病院であった。ウィルコクソン符号順位検定の結果,医業収支比率および経常収支比率ともに有意な改善を認めたが,医師数については,有意に変化していなかった。 【考察】 本研究から,公立病院再編は,経営の効率化の視点からは,経常収支比率および医業収支比率が改善し,一定の効果があったと...

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Published in日本医療・病院管理学会誌 Vol. 56; no. 1; pp. 17 - 27
Main Authors 福田, 治久, 大谷, 泰史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療・病院管理学会 2019
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ISSN1882-594X
2185-422X
DOI10.11303/jsha.56.17

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Summary:【目的】 本研究の目的は,公立病院再編による経営改善効果について定量的に測定し,評価を行うことである。 【方法】 地方公営企業年鑑において統合前後3年間のデータがある統合病院についてウィルコクソン符号順位検定により統合前後の変化を検証した。評価指標は,医業収支比率,経常収支比率および医師数とした。 【結果】 解析対象は18病院であった。ウィルコクソン符号順位検定の結果,医業収支比率および経常収支比率ともに有意な改善を認めたが,医師数については,有意に変化していなかった。 【考察】 本研究から,公立病院再編は,経営の効率化の視点からは,経常収支比率および医業収支比率が改善し,一定の効果があったといえる。一方,医師不足の解消の視点からも,医師数は増加していなかったが,医師1人1日当たり入院患者数および外来患者数は減少していたため,部分的にではあるが効果があったといえる。
ISSN:1882-594X
2185-422X
DOI:10.11303/jsha.56.17