療養型病棟における長期臥床患者の拘縮手の清潔ケアの実態

全国の療養型病棟における拘縮手の清潔ケアの実態を明らかにするため,ランダムサンプリングした 987施設に対し質問紙調査を実施した.回収は 590病棟分 (回収率59.8%) であった.入浴回数は週2回が約7割であり,手浴が定期的に実施されている病棟は約6割であった.ハンドロールはほとんどの病棟で使用されていた.ハンドロールの使用目的は指間 ・ 手掌の汚染防止,湿潤防止,防臭,爪の手掌へのくい込み防止が約7割であった.ハンドロールに用いる消臭材では緑茶葉が最も多かった.ハンドロールを使い捨てにしている病棟は1割程度であり,多くは職員により再生されていた.ハンドロールを毎日交換している病棟は4割程...

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Published in日本看護技術学会誌 Vol. 10; no. 2; pp. 14 - 22
Main Authors 川島, 和代, 中田, 弘子, 小林, 宏光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護技術学会 20.08.2011
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ISSN1349-5429
2423-8511
DOI10.18892/jsnas.10.2_14

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Summary:全国の療養型病棟における拘縮手の清潔ケアの実態を明らかにするため,ランダムサンプリングした 987施設に対し質問紙調査を実施した.回収は 590病棟分 (回収率59.8%) であった.入浴回数は週2回が約7割であり,手浴が定期的に実施されている病棟は約6割であった.ハンドロールはほとんどの病棟で使用されていた.ハンドロールの使用目的は指間 ・ 手掌の汚染防止,湿潤防止,防臭,爪の手掌へのくい込み防止が約7割であった.ハンドロールに用いる消臭材では緑茶葉が最も多かった.ハンドロールを使い捨てにしている病棟は1割程度であり,多くは職員により再生されていた.ハンドロールを毎日交換している病棟は4割程度であった.拘縮手の清潔ケアに改善が必要な問題点では,十分な頻度で手浴ができない,洗面器では洗いにくい,拘縮手に合うハンドロールがないなどの記載が多かった.今後の課題として,ハンドロールの清潔保持の効果の検証と拘縮手の特性を考えたハンドロールの使用方法の検討が必要である.
ISSN:1349-5429
2423-8511
DOI:10.18892/jsnas.10.2_14