側頭骨内腫瘤による顔面神経麻痺の検討

「はじめに」: さまざまな腫瘤が側頭骨内に発生し顔面神経麻痺を来すが, その腫瘤の種類により麻痺の臨床経過が異なる印象がある. 画像診断を行っていない場合, 良性の側頭骨腫瘤による麻痺はしばしばベル麻痺と診断されることが多い. また画像診断により側頭骨腫瘤の存在が明らかになった後でも, 術前にその病理学的診断を付けることは難しい. 今回われわれは, 顔面神経麻痺を起こした良性の側頭骨腫瘤症例における臨床所見および筋電図検査所見を検討し, 良性の側頭骨腫瘤による顔面神経麻痺の特徴を明らかにすることを目的とした. 「対象と方法」: 2005年5月から2013年12月に東京大学耳鼻咽喉科顔面神経外来...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 121; no. 3; pp. 245 - 246
Main Authors 山岨, 達也, 安原, 一夫, 岩村, 均, 西嶌, 大宣, 近藤, 健二, 籠谷, 領二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.03.2018
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.121.245

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Summary:「はじめに」: さまざまな腫瘤が側頭骨内に発生し顔面神経麻痺を来すが, その腫瘤の種類により麻痺の臨床経過が異なる印象がある. 画像診断を行っていない場合, 良性の側頭骨腫瘤による麻痺はしばしばベル麻痺と診断されることが多い. また画像診断により側頭骨腫瘤の存在が明らかになった後でも, 術前にその病理学的診断を付けることは難しい. 今回われわれは, 顔面神経麻痺を起こした良性の側頭骨腫瘤症例における臨床所見および筋電図検査所見を検討し, 良性の側頭骨腫瘤による顔面神経麻痺の特徴を明らかにすることを目的とした. 「対象と方法」: 2005年5月から2013年12月に東京大学耳鼻咽喉科顔面神経外来を受診した914例の顔面神経麻痺症例から, 未治療の良性の側頭骨内腫瘤による顔面神経麻痺31例について初診時の所見, 特にHouse-Brackman Grading system(HB Grade)による顔面神経麻スコアと, 誘発筋電図(ENoG)の関連について検討した.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.121.245