第VIII因子インヒビター作用を持たない抗第VIII因子モノクローナル抗体を用いた第VIII因子抗原測定法 (ELISA)
純化第VIII因子を免疫したBalb/Cマウス脾細胞とX-63ミエローマ細胞とを細胞融合させることによって1種類の抗第VIII因子モノクローナル抗体を得た. 抗体の検出は4相からなる immunoradiometric assay (IRMA) によった. 本モノクローナル抗体 (NMC-VIII/1) の抗体力価はIRMA法にて1×106倍であったが, 第VIII因子凝固活性 (F. VIII: C) 抑制作用は認められなかった. 免疫グロブリンサブクラスはIgG1であった. 本モノクローナル抗体を固相化した免疫吸着体により, F. VIIIあるいはF. VIII/vWF複合体が吸着された....
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Published in | 血液と脈管 Vol. 18; no. 1; pp. 48 - 59 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English |
Published |
一般社団法人 日本血栓止血学会
1987
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0386-9717 1884-2372 |
DOI | 10.2491/jjsth1970.18.48 |
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Summary: | 純化第VIII因子を免疫したBalb/Cマウス脾細胞とX-63ミエローマ細胞とを細胞融合させることによって1種類の抗第VIII因子モノクローナル抗体を得た. 抗体の検出は4相からなる immunoradiometric assay (IRMA) によった. 本モノクローナル抗体 (NMC-VIII/1) の抗体力価はIRMA法にて1×106倍であったが, 第VIII因子凝固活性 (F. VIII: C) 抑制作用は認められなかった. 免疫グロブリンサブクラスはIgG1であった. 本モノクローナル抗体を固相化した免疫吸着体により, F. VIIIあるいはF. VIII/vWF複合体が吸着された. 次に, 本抗体を用いた固相―サンドイッチELISA法による第VIII因子抗原 (F. VIII: Ag) の測定系を確立した. 本ELISA法により, 正常血漿, 正常血清, および, 血友病A患者血漿サンプルのF. VIII: Agを測定し, 同時にポリクローナルな高力価同種抗体を用いたIRMA法によるF. VIII: Ag値と, 凝固一段法によるF. VIII: C値とを比較検討した. 正常血漿, および, 血友病A血漿サンプルでは, モノクローナルELISAによるF. VIII: Ag測定値はポリクローナルIRMAによる測定値とよく一致した. また, 5例の中等~軽症型患者血漿においていずれの方法によっても有意なF. VIII: Agが検出された. 一方, 正常血清サンプルにおけるF. VIII: Agの平均値は14±5u/dlでポリクローナルIRMAによる測定値よりはるかに低値を示した. このF. VIII: Agの低下は凝固開始後直ちに認められた. |
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ISSN: | 0386-9717 1884-2372 |
DOI: | 10.2491/jjsth1970.18.48 |