経口内視鏡下切除術を施行した下咽頭表在癌を対象とした頸部リンパ節転移リスク因子の検討

• Published in: 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 123; no. 8; pp. 778 - 779
• Main Authors: 野口, 哲也, 浅田, 行紀, 宮﨑, 武文, 山﨑, 知子, 佐藤, 郁郎, 伊藤, しげみ, 松本, 恒, 今井, 隆之, 松浦, 一登, 及川, 智之
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.08.2020; 日本耳鼻咽喉科学会
• ISSN: 0030-6622; 1883-0854
• DOI: 10.3950/jibiinkoka.123.778

はじめに: 近年, 下咽頭表在癌に対する低侵襲手術として経口内視鏡下切除術が発展し, 広く施行されている. 一方, 表在癌といえども初診時から頸部リンパ節転移を伴うような症例や後発頸部リンパ節転移再発を来す症例を経験する. 今回われわれは, 当科で経口内視鏡下切除術を施行した下咽頭表在癌を対象として, 頸部リンパ節転移と病理組織学的リスク因子との関係につき統計学的な検討を行った. 対象と方法: 2007年1月～2017年12月の間に経口内視鏡下切除術を施行した下咽頭表在癌93症例, 109病変を対象とした. 病理組織学的リスク因子として, 腫瘍径, 腫瘍の厚み, 水平断端, 垂直断端, Budding(簇出), E-cadherin発現, Podoplanin発現, 脈管侵襲を検討した. 2×2分割表の検討にはFisher直接確立検定, 2群間の平均値の検討にはt検定を用い, 多変量解析にはロジスティック回帰分析を用いた.