ST合剤の併用が有効と考えられたWegener肉芽腫症の1例

ST合剤とステロイドの併用が有効であったWegener肉芽腫症の1例を報告する。症例は62歳の女性。主訴は咳と血尿。胸部写真では, 左肺尖部に不正形の淡い肺炎陰影を認めた。肺炎は抗生剤にて軽快したが蛋白尿は1日2.5g認め, 血尿も改善せず, 血清クレアチニンも2.5mg/dlと上昇を認めた。C-ANCAは58EIA unitsと陽性で, 腎生検では糸球体の67%に細胞性半月体形成を認め, 蛍光抗体法ではIgA, IgG, C3の沈着は認めなかった。以上よりWegener肉芽腫症と診断した。ステロイドとST合剤の併用にてC-ANCAは陰性化し蛋白尿と血尿は消失し血清クレアチニンも正常化した。S...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 43; no. 4; pp. 987 - 990
Main Authors 越田, 英夫, 池田, 謙三, 森田, 達志, 田中, 功, 五十嵐, 豊, 加藤, 正義, 郭, 文治, 永井, 忠之, 亀谷, 富夫, 堀上, 健幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 1994
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.43.987

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Summary:ST合剤とステロイドの併用が有効であったWegener肉芽腫症の1例を報告する。症例は62歳の女性。主訴は咳と血尿。胸部写真では, 左肺尖部に不正形の淡い肺炎陰影を認めた。肺炎は抗生剤にて軽快したが蛋白尿は1日2.5g認め, 血尿も改善せず, 血清クレアチニンも2.5mg/dlと上昇を認めた。C-ANCAは58EIA unitsと陽性で, 腎生検では糸球体の67%に細胞性半月体形成を認め, 蛍光抗体法ではIgA, IgG, C3の沈着は認めなかった。以上よりWegener肉芽腫症と診断した。ステロイドとST合剤の併用にてC-ANCAは陰性化し蛋白尿と血尿は消失し血清クレアチニンも正常化した。ST合剤の減量にて一時血尿の悪化を認めたが, 増量にて10か月後現在も完全寛解したままである。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.43.987