電子クリニカルパスにおける新たな提案 ePath事業におけるJSCP・JAMI合同委員会最終報告
日本医療情報学会(JAMI)と日本クリニカルパス学会(JSCP)は2015年以来、合同委員会を設置し、クリニカルパスの電子化に関わる基礎的な議論を進め、その成果を両学会のシンポジウムなどを通して発表してきた。その具現化を目指すものとして、ePath事業「クリニカルパス標準データモデルの開発と利活用」が2018年10月にAMED(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構)より採択され研究開発を開始し2021年3月終了した。本事業の目的は、1)アウトカム志向型パスの標準化、2)標準データリポジトリ規格の策定、3)アウトカムを含む診療プロセス解析基盤構築である。4病院と4ベンダーが参加し統合的にデータ...
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Published in | 日本クリニカルパス学会誌 Vol. 24; no. 1; pp. 61 - 69 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本クリニカルパス学会
28.03.2022
日本クリニカルパス学会 |
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ISSN | 2187-6592 2436-1046 |
DOI | 10.50842/jjscp.24.1_61 |
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Summary: | 日本医療情報学会(JAMI)と日本クリニカルパス学会(JSCP)は2015年以来、合同委員会を設置し、クリニカルパスの電子化に関わる基礎的な議論を進め、その成果を両学会のシンポジウムなどを通して発表してきた。その具現化を目指すものとして、ePath事業「クリニカルパス標準データモデルの開発と利活用」が2018年10月にAMED(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構)より採択され研究開発を開始し2021年3月終了した。本事業の目的は、1)アウトカム志向型パスの標準化、2)標準データリポジトリ規格の策定、3)アウトカムを含む診療プロセス解析基盤構築である。4病院と4ベンダーが参加し統合的にデータ収集し解析を実施したが、当報告ではその一連の成果をJSCPの立場として総括した。具体的にはOAT(Outcome-Assessment-Task)Unitの概念整理、BOMをベースにしたOATのセット化と8疾患のひな型パス作成、データモデルの作成、リポジトリ構築、機械学習やテキストマイニングの手法を用いた実臨床データの統合解析と結果などを例示した。COVID-19の影響で解析作業が遅れ途中経過の報告になるが、すでに臨床の質を上げ、働き方改革にもつながる有用な結果が得られつつある。医療機関やベンダーの垣根を越えてデータを収集することはできたが、今後この仕組みを普及させるには一層の医療の標準化と検査や処方などのマスターの整備および徹底が求められる。医療の無駄を省き、質を上げるうえで、こうしたビッグデータによるプロセス解析は今後とも重要になると考える。 |
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ISSN: | 2187-6592 2436-1046 |
DOI: | 10.50842/jjscp.24.1_61 |