MRIにおける潜在性脳血管障害の分類とその危険因子に関する検討
脳ドックを受診した健常成人460名における潜在性脳血管障害についてMRI上の分類を行い, 脳血管障害の危険因子について検討した. 0.2T, MRIにより, 限局性病変については2mm以下とそれ以上の病変に分類.Periventricular hyperintensity (PVH) は4段階に分類した.PVHとは別に, T2強調画像でのみ大脳白質に境界不鮮明な高信号域を認めるものを白質癒合性病変として3段階評価した.危険因子の評価は脳卒中家族歴, 高血圧の有無, 受診時血圧, 糖尿病歴, 喫煙歴, ヘマトクリット, 血清脂質, Fibrinogenについて検討した. 潜在性限局性病変の頻度は...
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          | Published in | 脳卒中 Vol. 17; no. 3; pp. 292 - 297 | 
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| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本脳卒中学会
    
        25.06.1995
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| Subjects | |
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| ISSN | 0912-0726 1883-1923  | 
| DOI | 10.3995/jstroke.17.292 | 
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| Summary: | 脳ドックを受診した健常成人460名における潜在性脳血管障害についてMRI上の分類を行い, 脳血管障害の危険因子について検討した. 0.2T, MRIにより, 限局性病変については2mm以下とそれ以上の病変に分類.Periventricular hyperintensity (PVH) は4段階に分類した.PVHとは別に, T2強調画像でのみ大脳白質に境界不鮮明な高信号域を認めるものを白質癒合性病変として3段階評価した.危険因子の評価は脳卒中家族歴, 高血圧の有無, 受診時血圧, 糖尿病歴, 喫煙歴, ヘマトクリット, 血清脂質, Fibrinogenについて検討した. 潜在性限局性病変の頻度は, état cribléと考えられる2mm以下の病変のみが (5.7%), 2mm以上のラクナ様病変が (16.1%) であった.PVHの頻度は, PVH2度が12.6%, PVH3度が2.2%であった.白質の癒合性病変は8.7%に認められた。年齢, 高血圧の有無は潜在性限局性病変, PVH, 白質癒合性病変のすべてにおいて最も大きな危険因子と考えられた.糖尿病はラクナ様病変に関与する可能性が考えられた.PVH, 白質癒合性病変は年齢, 高血圧の影響が大きくその他の危険因子は年齢の影響を除けぼ有意な危険因子とはならなかった. | 
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| ISSN: | 0912-0726 1883-1923  | 
| DOI: | 10.3995/jstroke.17.292 |