物体の視覚的提示に伴う腱振動刺激による運動錯覚時の脳活動 fNIRS研究

〔目的〕本研究の目的は,物体の視覚的提示に伴う腱振動刺激による運動錯覚時の脳活動を明らかにすることとした.〔対象〕振動刺激によって錯覚を経験した際の錯覚強度が4以上であった11名を対象者とした.〔方法〕以下の3条件にて手関節総指伸筋腱を振動刺激した.条件1:物体提示.条件2:手関節を掌屈すれば物体に接触する距離に物体を提示.条件3:手関節を掌屈しても物体に接触しない距離に物体を提示.脳活動は,機能的近赤外分光装置を用いて測定した.〔結果〕条件1と条件3に比べ,条件2において右運動前野,右感覚運動野,右頭頂領域にoxy-Hbの有意な増加が認められた.〔結語〕物体の提示位置が異なることにより,運動...

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Published in理学療法科学 Vol. 27; no. 4; pp. 401 - 405
Main Authors 森岡, 周, 今井, 亮太, 中野, 英樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 20.08.2012
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.27.401

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Summary:〔目的〕本研究の目的は,物体の視覚的提示に伴う腱振動刺激による運動錯覚時の脳活動を明らかにすることとした.〔対象〕振動刺激によって錯覚を経験した際の錯覚強度が4以上であった11名を対象者とした.〔方法〕以下の3条件にて手関節総指伸筋腱を振動刺激した.条件1:物体提示.条件2:手関節を掌屈すれば物体に接触する距離に物体を提示.条件3:手関節を掌屈しても物体に接触しない距離に物体を提示.脳活動は,機能的近赤外分光装置を用いて測定した.〔結果〕条件1と条件3に比べ,条件2において右運動前野,右感覚運動野,右頭頂領域にoxy-Hbの有意な増加が認められた.〔結語〕物体の提示位置が異なることにより,運動錯覚時の脳活動が変化することが示唆された.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.27.401