タイ王国における高齢者を取り巻く理学療法の現状とその教育について バンコク市内3施設の視察から

タイ王国の①医療状勢を整理すること,②理学療法の現状や組織運営・教育を知ること,③高齢者に頻発する脳卒中や関節疾患に対する取組みを知ることを目的に,バンコク市内の3施設を視察した.タイ王国は高齢化が急速に進み,理学療法士に求められる役割は増している.タイ王国の理学療法士は2004年にダイレクトアクセス権を獲得しているが,その背景には教育や国家試験制度の改善などの組織的な取り組みがある.実際の臨床場面ではバーチャル・リアリティ技術を用いた機器が多く導入され,評価の標準化や治療の均質化に寄与していた.本報告はタイ王国のなかでも先進的な理学療法を示すものであり,タイ王国の一部分を表すにすぎないものの...

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Published in理学療法科学 Vol. 34; no. 1; pp. 155 - 160
Main Authors 原田, 和宏, 井上, 優, 伊藤, 秀幸, 田中, 繁治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2019
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.34.155

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Summary:タイ王国の①医療状勢を整理すること,②理学療法の現状や組織運営・教育を知ること,③高齢者に頻発する脳卒中や関節疾患に対する取組みを知ることを目的に,バンコク市内の3施設を視察した.タイ王国は高齢化が急速に進み,理学療法士に求められる役割は増している.タイ王国の理学療法士は2004年にダイレクトアクセス権を獲得しているが,その背景には教育や国家試験制度の改善などの組織的な取り組みがある.実際の臨床場面ではバーチャル・リアリティ技術を用いた機器が多く導入され,評価の標準化や治療の均質化に寄与していた.本報告はタイ王国のなかでも先進的な理学療法を示すものであり,タイ王国の一部分を表すにすぎないものの,日本においても参考にすべき点があるといえる.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.34.155