AYA世代乳癌診療

15~39歳の思春期・若年性人に相当する世代はAYA(Adolescent and Young Adult)世代と呼ばれる.AYA世代の乳癌患者は,それ以上の年代の乳癌患者と比べて,生物学的悪性度が高く,検診発見が少ないこともあり進行例も多いため,周術期の薬物療法の対象となることが多い.またその年代は,学生から社会人へ,そして子育て世代へとライフステージが大きく変化する時期にあたり,個別性の高い多様な支援を要する.そのため,AYA世代乳癌患者の生活の質の向上をめざして最適な治療と包括的なサポートを提供するために,多職種の専門職からなるチーム医療の推進が重要である.治療後のサバイバーップ支援にお...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 85; no. 1; pp. 1 - 8
Main Author 片岡, 明美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2024
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.85.1

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Summary:15~39歳の思春期・若年性人に相当する世代はAYA(Adolescent and Young Adult)世代と呼ばれる.AYA世代の乳癌患者は,それ以上の年代の乳癌患者と比べて,生物学的悪性度が高く,検診発見が少ないこともあり進行例も多いため,周術期の薬物療法の対象となることが多い.またその年代は,学生から社会人へ,そして子育て世代へとライフステージが大きく変化する時期にあたり,個別性の高い多様な支援を要する.そのため,AYA世代乳癌患者の生活の質の向上をめざして最適な治療と包括的なサポートを提供するために,多職種の専門職からなるチーム医療の推進が重要である.治療後のサバイバーップ支援においては,遺伝学的要因への配慮,治療後の妊娠や子育て,晩期後遺症や二次がんなど,治療施設外と連携した支援も重要となる.本稿では,当院で行っているAYA世代乳癌患者への診療の実際とサポート体制について報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.85.1