メチルプレドニゾロンパルス療法が奏効した肺高血圧症合併overlap症候群の一例

症例は43歳女性. 1996年6月頃よりレイノー現象,手指の皮膚硬化を認め近医にて強皮症と診断された. 1997年4月,労作時の呼吸困難を自覚. Caチャンネルブロッカーおよびプロスタグランディン製剤の服用を開始,精査のため当院に入院した.血栓症や強度の間質性肺炎を認めなかったことから,血管障害にもとづく肺高血圧症が考えられた.さらに全身性エリテマトーデスの診断基準も満たしoverlap症候群と診断された.メチルプレドニゾロンのパルス療法にて自,他覚症状が改善した. Overlap症候群に合併した肺高血圧症の報告はきわめて稀である.膠原病に合併した肺高血圧症は予後が著しく悪い.本症例がステロイ...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 26; no. 1; pp. 28 - 33
Main Authors 南家, 由紀, 小竹, 茂, 原, まさ子, 鎌谷, 直之
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本臨床免疫学会 2003
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.26.28

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Summary:症例は43歳女性. 1996年6月頃よりレイノー現象,手指の皮膚硬化を認め近医にて強皮症と診断された. 1997年4月,労作時の呼吸困難を自覚. Caチャンネルブロッカーおよびプロスタグランディン製剤の服用を開始,精査のため当院に入院した.血栓症や強度の間質性肺炎を認めなかったことから,血管障害にもとづく肺高血圧症が考えられた.さらに全身性エリテマトーデスの診断基準も満たしoverlap症候群と診断された.メチルプレドニゾロンのパルス療法にて自,他覚症状が改善した. Overlap症候群に合併した肺高血圧症の報告はきわめて稀である.膠原病に合併した肺高血圧症は予後が著しく悪い.本症例がステロイドパルス療法に反応したことから,ステロイドパルス療法は膠原病合併肺高血圧症に試みるべき一治療法と考えられ報告する.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.26.28