加味逍遙散使用経験例の検討

• Published in: 脳神経外科と漢方 Vol. 8; no. 1; pp. 1 - 9
• Main Author: 郭, 忠之
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本脳神経外科漢方医学会 30.08.2023
• Subjects: 加味逍遙散; 気の障害; 男性奏功例
• ISSN: 2189-5562; 2758-1594
• DOI: 10.57364/jnkm.8.1_1

加味逍遙散は，『和剤局方』 が原典である逍遥散に牡丹皮と山梔子を加味した方剤である。虚弱体質な婦人で肩が凝り，疲れやすく，イライラや精神不安などの精神症状，ときに便秘の傾向のある諸症 （冷え性，虚弱体質，月経不順，月経困難，更年期障害，血の道症） に適応があるとされている。それ故，婦人科・内科・心療内科・精神科などで処方される機会が多いが，当科でも16例に効果が認められ，2例は男性であった。奏功例を，東洋医学的見地から詳細に顧みてどのような患者に効果が期待できるのかを検討してみた。また加味逍遙散ができた時代背景，男性例の奏功例，長期服用時に起こる特発性腸間膜静脈硬化症の副作用についても文献的考察を加えて報告する。