酸化ストレス処理機構と腎障害
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の病態形成には,防御機構を凌駕する活性酸素種産生,すなわち「酸化ストレス」が深く関与している.また,酸化ストレスの亢進には鏡像的変化として,一酸化窒素の生物学的利用能(bioavailability)低下が付随している.このROS/NOの不均衡は,腎臓病の進展のみならず,心血管病の発症機序にも関与している.一方,虚血と酸化ストレスは共存するのが通例であり,また,病因的にも双方向性の関係を有している.虚血の解除は酸化ストレス軽減をもたらし,病態改善につながる....
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 106; no. 7; pp. 1473 - 1480 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
10.07.2017
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Subjects | |
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ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.106.1473 |
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Summary: | 慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の病態形成には,防御機構を凌駕する活性酸素種産生,すなわち「酸化ストレス」が深く関与している.また,酸化ストレスの亢進には鏡像的変化として,一酸化窒素の生物学的利用能(bioavailability)低下が付随している.このROS/NOの不均衡は,腎臓病の進展のみならず,心血管病の発症機序にも関与している.一方,虚血と酸化ストレスは共存するのが通例であり,また,病因的にも双方向性の関係を有している.虚血の解除は酸化ストレス軽減をもたらし,病態改善につながる. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.106.1473 |