末梢神経障害の臨床遺伝学の進展

遺伝性ニューロパチーは,運動・感覚または自律神経障害を呈する疾患の総称であり,臨床的にも遺伝的にも非常に多様である.これまでに70以上の原因遺伝子が同定されており,分子病態は細胞内の様々な小器官に複雑に関与していることがわかっている.遺伝性ニューロパチーの遺伝子診断は次世代ゲノムシークエンサー(next-generation sequencer:NGS)を用いたターゲットリシークエンスやエクソーム解析が非常に有用であり,診断確定だけでなく患者の予後予測や治療法の確立につながる.また,分子病態ごとに様々な治療法が開発されており,モデル動物では有効性が確認されている薬剤もあり,なかでもクルクミン治...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 104; no. 7; pp. 1470 - 1478
Main Authors 髙嶋, 博, 樋口, 雄二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2015
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.104.1470

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Summary:遺伝性ニューロパチーは,運動・感覚または自律神経障害を呈する疾患の総称であり,臨床的にも遺伝的にも非常に多様である.これまでに70以上の原因遺伝子が同定されており,分子病態は細胞内の様々な小器官に複雑に関与していることがわかっている.遺伝性ニューロパチーの遺伝子診断は次世代ゲノムシークエンサー(next-generation sequencer:NGS)を用いたターゲットリシークエンスやエクソーム解析が非常に有用であり,診断確定だけでなく患者の予後予測や治療法の確立につながる.また,分子病態ごとに様々な治療法が開発されており,モデル動物では有効性が確認されている薬剤もあり,なかでもクルクミン治療は我が国でヒトへの臨床試験が計画されている.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.104.1470