ダム下流における糸状藻類の強制剥離に関する研究

砂礫による糸状藻類の剥離について室内実験を行い,神奈川県の宮ヶ瀬ダム下流におけるフラッシュ放流による糸状藻類の強制的な剥離について現地実験及び数値シミュレーションによる検討を行った.その結果,糸状藻類の剥離には5-10mm程度の粒径の砂礫が有効であり,宮ヶ瀬ダム下流の糸状藻類が異常繁茂しているような場所においては剥離に有効な粒径の砂礫がほとんどなく,フラッシュ放流のみによる糸状藻類の除去は困難であることがわかった.また,実験から得られた知見を元に砂礫による河床付着藻類剥離予測モデルを構築し,現地に適用したところ,本モデルによってフラッシュ放流による糸状藻類の残存率をおおまかに予測可能であり,河...

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Published in土木学会論文集B Vol. 65; no. 4; pp. 285 - 295
Main Authors 赤松, 良久, 池田, 駿介, 大澤, 和敏, 浅野, 誠一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 2009
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ISSN1880-6031
DOI10.2208/jscejb.65.285

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Summary:砂礫による糸状藻類の剥離について室内実験を行い,神奈川県の宮ヶ瀬ダム下流におけるフラッシュ放流による糸状藻類の強制的な剥離について現地実験及び数値シミュレーションによる検討を行った.その結果,糸状藻類の剥離には5-10mm程度の粒径の砂礫が有効であり,宮ヶ瀬ダム下流の糸状藻類が異常繁茂しているような場所においては剥離に有効な粒径の砂礫がほとんどなく,フラッシュ放流のみによる糸状藻類の除去は困難であることがわかった.また,実験から得られた知見を元に砂礫による河床付着藻類剥離予測モデルを構築し,現地に適用したところ,本モデルによってフラッシュ放流による糸状藻類の残存率をおおまかに予測可能であり,河床に細礫が十分に存在すれば現行のフラッシュ放流量で十分な糸状藻類の除去が行えることが明らかになった.
ISSN:1880-6031
DOI:10.2208/jscejb.65.285