地方自治体における橋梁の維持管理の状況と投資効果に関する調査検討

社会基盤施設の合理的な保全・運用が必要とされている中で,大きな課題の一つはその保全状況や補修・更新投資の水準を表す定量的指標の構築にある.本研究では,橋梁を例にとり,地方自治体の維持管理の実態をアンケート,ヒアリングを通じて調査した.アンケートからは,1)各自治体の保有する橋梁資産に比べて維持管理・更新関連の予算が非常に少なく,2)データの整備状況や点検実施に関しても全般的には整備がまだ進まない機関が多いことがわかった.また,ヒアリングからは,3)データ整備状況に関し,諸元や点検結果の保存状況に比べ,補修等に関する整備が非常に遅れていることがわかった.さらに,橋梁の健全度と補修・更新投資とには...

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Published in土木学会論文集F Vol. 66; no. 3; pp. 351 - 359
Main Authors 水野, 裕介, 稲垣, 博信, 河村, 圭, 藤野, 陽三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 2010
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ISSN1880-6074
DOI10.2208/jscejf.66.351

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Summary:社会基盤施設の合理的な保全・運用が必要とされている中で,大きな課題の一つはその保全状況や補修・更新投資の水準を表す定量的指標の構築にある.本研究では,橋梁を例にとり,地方自治体の維持管理の実態をアンケート,ヒアリングを通じて調査した.アンケートからは,1)各自治体の保有する橋梁資産に比べて維持管理・更新関連の予算が非常に少なく,2)データの整備状況や点検実施に関しても全般的には整備がまだ進まない機関が多いことがわかった.また,ヒアリングからは,3)データ整備状況に関し,諸元や点検結果の保存状況に比べ,補修等に関する整備が非常に遅れていることがわかった.さらに,橋梁の健全度と補修・更新投資とには負の相関があり,維持管理・更新への投資効果があることを示した.
ISSN:1880-6074
DOI:10.2208/jscejf.66.351