離散配置補強筋による既設RC部材のせん断補強効果

既設RC構造物のせん断補強には,有効かつ合理的な後施工鋼材の配置が求められる.本研究では,せん断補強筋の離散配置により本数を減じた上で,なおかつ得られるせん断補強効果について検討した.実験と解析から,順列および千鳥配置の差,鉄筋径,定着長さ,既存鉄筋との相互作用の影響に関して分析を行った.その結果,せん断補強筋を有効高さに相当する間隔で離散配置した場合でも,条件によって一定の補強効果が期待できることを確認した.少量ながらも密に配置されている既存鉄筋と,後施工によって千鳥で離散配置したせん断補強筋の複合効果により,せん断補強効果が大幅に増加する場合もあることを示した.この複合効果は,3次元非線形...

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Published in土木学会論文集E Vol. 63; no. 1; pp. 116 - 126
Main Authors 半井, 健一郎, 前川, 宏一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 2007
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ISSN1880-6066
DOI10.2208/jsceje.63.116

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Summary:既設RC構造物のせん断補強には,有効かつ合理的な後施工鋼材の配置が求められる.本研究では,せん断補強筋の離散配置により本数を減じた上で,なおかつ得られるせん断補強効果について検討した.実験と解析から,順列および千鳥配置の差,鉄筋径,定着長さ,既存鉄筋との相互作用の影響に関して分析を行った.その結果,せん断補強筋を有効高さに相当する間隔で離散配置した場合でも,条件によって一定の補強効果が期待できることを確認した.少量ながらも密に配置されている既存鉄筋と,後施工によって千鳥で離散配置したせん断補強筋の複合効果により,せん断補強効果が大幅に増加する場合もあることを示した.この複合効果は,3次元非線形解析により再現することができた.
ISSN:1880-6066
DOI:10.2208/jsceje.63.116