医療倫理の教育における能動的学習法の試みと医学生への教育効果

医療倫理の教育に能動的学習法を導入し, その教育効果について検討した. 方法は, 1) 小グループ討議による医療倫理の実習, 2) 患者への説明に関する事例の自習, 3) インフォームド・コンセントに関するVTRによる自習の3種類である.これらの課題に対してテーマを与え各人にレポートを提出させた. レポートの評価は, それぞれの課題にあらかじめ到達目標を設定しておき, 絶対的評価により採点を行った. その結果, 学生の得点の平均値と標準誤差は, 学習法1) が, 2), 3) に比して有意の差を持って高値であった. 以上の検討から, 小グループ討議は効果的な教育法であり, 患者の倫理問題につい...

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Published in医学教育 Vol. 31; no. 2; pp. 77 - 81
Main Authors 伊藤, 由香, 小早川, 節, 福本, 陽平, 村上, 不二夫, 瀬口, 雅人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医学教育学会 25.04.2000
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ISSN0386-9644
2185-0453
DOI10.11307/mededjapan1970.31.77

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Summary:医療倫理の教育に能動的学習法を導入し, その教育効果について検討した. 方法は, 1) 小グループ討議による医療倫理の実習, 2) 患者への説明に関する事例の自習, 3) インフォームド・コンセントに関するVTRによる自習の3種類である.これらの課題に対してテーマを与え各人にレポートを提出させた. レポートの評価は, それぞれの課題にあらかじめ到達目標を設定しておき, 絶対的評価により採点を行った. その結果, 学生の得点の平均値と標準誤差は, 学習法1) が, 2), 3) に比して有意の差を持って高値であった. 以上の検討から, 小グループ討議は効果的な教育法であり, 患者の倫理問題についての学習にも優れた方法であると考えられた.
ISSN:0386-9644
2185-0453
DOI:10.11307/mededjapan1970.31.77