末端肥大症様ラットモデルにおける下顎骨形態変化の画像解析

末端肥大症は成長ホルモン(GH)の慢性過剰分泌によって発症し1, 2, その組織肥大はGHの成長促進作用を媒介するペプチド性成長因子の一つであるInsulin-like growth factor-I(IGF-I)の過剰発現により惹き起こされる3, 4. 末端肥大症患者の顎口腔領域における特徴的変化として下顎前突症や舌肥大があり, これらの変化は咀嚼, 嚥下障害, 会話困難など患者QOLの著しい低下をまねく2, 4, 5. 骨に対するIGF-Iの働きとして, 骨芽細胞, 軟骨芽細胞, 骨細胞等の分化増殖を促進し, 増殖した骨芽細胞より産生されたIGF-Iが再び骨芽細胞に働きかける作用(オートク...

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Published in歯科放射線 Vol. 45; no. 3; pp. 105 - 109
Main Authors 阪本, 真弥, 飯久保, 正弘, 笹野, 高嗣, 小嶋, 郁穂, 小林, あかね
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会 30.09.2005
日本歯科放射線学会
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ISSN0389-9705
2185-6311
DOI10.11242/dentalradiology1960.45.105

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Summary:末端肥大症は成長ホルモン(GH)の慢性過剰分泌によって発症し1, 2, その組織肥大はGHの成長促進作用を媒介するペプチド性成長因子の一つであるInsulin-like growth factor-I(IGF-I)の過剰発現により惹き起こされる3, 4. 末端肥大症患者の顎口腔領域における特徴的変化として下顎前突症や舌肥大があり, これらの変化は咀嚼, 嚥下障害, 会話困難など患者QOLの著しい低下をまねく2, 4, 5. 骨に対するIGF-Iの働きとして, 骨芽細胞, 軟骨芽細胞, 骨細胞等の分化増殖を促進し, 増殖した骨芽細胞より産生されたIGF-Iが再び骨芽細胞に働きかける作用(オートクリン, パラクリン的作用)により, 骨形成や骨成長の調節, さらに骨細胞のアポトーシスを抑制することが知られている6-9. 下顎骨においても, このようなメカニズムによって下顎骨肥大が発現すると考えられる. しかしながら, これまで末端肥大症における下顎骨形態変化に関する研究は患者を対象とした症例報告10や臨床統計報告2, 5のみであり, 形態変化の詳細や血中IGF-I値正常化後の変化については明らかにされていない.
ISSN:0389-9705
2185-6311
DOI:10.11242/dentalradiology1960.45.105