経管栄養剤の注入速度と血糖値の推移

経管栄養の注入速度による血糖推移を見るため, 4名の女性に①400kcal普通食を15分で経口摂取, ②400ml (400kcal) のエンシュアリキッド®を経鼻経管栄養法で200ml/hr (2時間) で注入, ③②と同様に600ml/hr (40分) で注入し, それぞれで摂取直前から3時間30分まで15分ごとに血糖値を測定した.  経管栄養法では, 200ml/hr, 600ml/hrどちらの速度でも, 普通食を15分で摂取する時よりも血糖値のピークは遅れて現れ, その後の下降は遷延し, 空腹時血糖より低値を示していた.  本データでは, 経管栄養の注入速度が200ml/hrと600m...

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Published in日本看護技術学会誌 Vol. 6; no. 2; pp. 18 - 22
Main Authors 海野, 康子, 山崎, 好美, 大久保, 暢子, 菱沼, 典子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護技術学会 05.10.2007
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ISSN1349-5429
2423-8511
DOI10.18892/jsnas.6.2_18

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Summary:経管栄養の注入速度による血糖推移を見るため, 4名の女性に①400kcal普通食を15分で経口摂取, ②400ml (400kcal) のエンシュアリキッド®を経鼻経管栄養法で200ml/hr (2時間) で注入, ③②と同様に600ml/hr (40分) で注入し, それぞれで摂取直前から3時間30分まで15分ごとに血糖値を測定した.  経管栄養法では, 200ml/hr, 600ml/hrどちらの速度でも, 普通食を15分で摂取する時よりも血糖値のピークは遅れて現れ, その後の下降は遷延し, 空腹時血糖より低値を示していた.  本データでは, 経管栄養の注入速度が200ml/hrと600ml/hrで, 血糖推移としてどちらがより安全性が高いか言及は控えたいが, 今回用いたエンシュアリキッド®のような, 「半消化態栄養剤」 では, 臨床現場においても, 急激な糖吸収による高血糖, 反応性低血糖というような現象が起きているのではないかと考えられる.
ISSN:1349-5429
2423-8511
DOI:10.18892/jsnas.6.2_18