ラットの部分脳虚血モデルに対する高気圧酸素療法の効果
ラットの右中大脳動脈+右総頸動脈閉塞モデルに対し, 3絶対気圧の高気圧酸素療法を虚血開始10分後より120分間施行した。加圧中のPaO2は1570±130mmHg, 動脈血中酸素含量は26±1ml/dlと, コントロール群の21±1m1/d1に比べ22%有意に増加した。脳血流量は両群とも虚血側で約50%減少したが, 2群間に差はなく, 高気圧酸素による脳血流への影響は認められなかった。虚血開始24時間後に測定した梗塞巣の大きさは加圧群が132±13mm3, コントロール群が161±29mm3と18%有意に減少した。高気圧酸素療法は虚血領域への酸素供給量を増加させることにより, 脳梗塞に対し保護...
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| Published in | 蘇生 Vol. 14; no. 3; pp. 102 - 106 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本蘇生学会
20.08.1996
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| Subjects | |
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| ISSN | 0288-4348 1884-748X |
| DOI | 10.11414/jjreanimatology1983.14.102 |
Cover
| Summary: | ラットの右中大脳動脈+右総頸動脈閉塞モデルに対し, 3絶対気圧の高気圧酸素療法を虚血開始10分後より120分間施行した。加圧中のPaO2は1570±130mmHg, 動脈血中酸素含量は26±1ml/dlと, コントロール群の21±1m1/d1に比べ22%有意に増加した。脳血流量は両群とも虚血側で約50%減少したが, 2群間に差はなく, 高気圧酸素による脳血流への影響は認められなかった。虚血開始24時間後に測定した梗塞巣の大きさは加圧群が132±13mm3, コントロール群が161±29mm3と18%有意に減少した。高気圧酸素療法は虚血領域への酸素供給量を増加させることにより, 脳梗塞に対し保護的に作用したと考えられた。 |
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| ISSN: | 0288-4348 1884-748X |
| DOI: | 10.11414/jjreanimatology1983.14.102 |