待機児童問題解消のための助成金の設計

本論文では、待機児童発生問題に関して入園需要の地域的偏在を考慮して、マッチングルールと金銭移転ルールからなるメカニズムを検討する。本モデルでは、二つの保育園があり、児童数と総定員数は等しいが、一方の保育園の方が人気が高い。児童数と総定員数は等しいにもかかわらず、保育料が所得のみに依存し、評価値とは独立な日本式メカニズムでは待機児童問題が発生する可能性があることを示す。そして、決定効率的なマッチングルールを特徴付け、それを基に決定効率的で耐戦略的なVCGメカニズムを特定化する。これにより、VCGメカニズムでの金銭移転ルールによる保育料を導出し、これを達成するための助成金を検討する。そして、例とし...

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Published in応用地域学研究 Vol. 2020; no. 24; pp. 1 - 17
Main Authors 綿引, 由美, 髙原, 勇, 栗野, 盛光, 野田, 寛人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 応用地域学会 31.03.2021
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ISSN1880-960X
2435-4414
DOI10.34438/arsc.2020.24_1

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Summary:本論文では、待機児童発生問題に関して入園需要の地域的偏在を考慮して、マッチングルールと金銭移転ルールからなるメカニズムを検討する。本モデルでは、二つの保育園があり、児童数と総定員数は等しいが、一方の保育園の方が人気が高い。児童数と総定員数は等しいにもかかわらず、保育料が所得のみに依存し、評価値とは独立な日本式メカニズムでは待機児童問題が発生する可能性があることを示す。そして、決定効率的なマッチングルールを特徴付け、それを基に決定効率的で耐戦略的なVCGメカニズムを特定化する。これにより、VCGメカニズムでの金銭移転ルールによる保育料を導出し、これを達成するための助成金を検討する。そして、例としてシミュレーションにより助成金を算出する。
ISSN:1880-960X
2435-4414
DOI:10.34438/arsc.2020.24_1