最新の脳卒中リハビリテーション―運動障害へのアプローチを中心に
脳やシナプスは可塑性を有することが明らかになり,そのメカニズムの解明を背景として,脳卒中リハビリテーションには,訓練の量,頻度ならびに課題特異性という3つの要素が重要であるとの知見が蓄積され,推奨されるようになった.脳卒中急性期では,早期離床により廃用症候群を予防するとともに,早期にADL(activities of daily living)を向上させることが重要である.さらに,回復期ではCI療法(constraint-induced movement therapy)や促通反復療法といった療法士の指導や徒手による運動療法を軸として,電気刺激や振動刺激等のさまざまな物理療法や非侵襲的脳刺激法...
Saved in:
| Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 108; no. 2; pp. 283 - 288 |
|---|---|
| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本内科学会
10.02.2019
|
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
| DOI | 10.2169/naika.108.283 |
Cover
| Summary: | 脳やシナプスは可塑性を有することが明らかになり,そのメカニズムの解明を背景として,脳卒中リハビリテーションには,訓練の量,頻度ならびに課題特異性という3つの要素が重要であるとの知見が蓄積され,推奨されるようになった.脳卒中急性期では,早期離床により廃用症候群を予防するとともに,早期にADL(activities of daily living)を向上させることが重要である.さらに,回復期ではCI療法(constraint-induced movement therapy)や促通反復療法といった療法士の指導や徒手による運動療法を軸として,電気刺激や振動刺激等のさまざまな物理療法や非侵襲的脳刺激法(non-invasive brain stimulation:NIBS),リハビリテーションロボットを併用し,患者の運動意図を正しく実現し,反復することが,患者アウトカムを向上させると考えられる.超高齢社会の我が国における回復期リハビリテーションでは,アウトカム実績とその効率性が求められており,さらに,近い将来における再生医療の実用化に向け,効果的かつ効率的なリハビリテーション治療の発展がますます必要とされるであろう. |
|---|---|
| ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
| DOI: | 10.2169/naika.108.283 |