VIII.誤嚥性肺炎と咳嗽反射

咳反射は,これまで延髄の脳幹部反射と捉えられ,上位中枢神経系の関与はあまり考えられてこなかった.しかし,近年,咳が出るときは,咳衝動(urge-to-cough)という感覚が先行して大脳皮質に伝わり,その咳衝動が咳反射を調節していることがわかってきた.加齢によりフレイル状態になると,まず嚥下反射が障害され,さらに,フレイルが進行して咳衝動がなくなり,その後,咳反射が消失して誤嚥性肺炎が発症することがわかってきた....

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Bibliographic Details
Published in日本内科学会雑誌 Vol. 109; no. 10; pp. 2142 - 2148
Main Author 海老原, 覚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.10.2020
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.109.2142

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Summary:咳反射は,これまで延髄の脳幹部反射と捉えられ,上位中枢神経系の関与はあまり考えられてこなかった.しかし,近年,咳が出るときは,咳衝動(urge-to-cough)という感覚が先行して大脳皮質に伝わり,その咳衝動が咳反射を調節していることがわかってきた.加齢によりフレイル状態になると,まず嚥下反射が障害され,さらに,フレイルが進行して咳衝動がなくなり,その後,咳反射が消失して誤嚥性肺炎が発症することがわかってきた.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.109.2142