酵母Pichia pastorisを高濃度含有する廃水の嫌気性消化

酵母Pichia pastorisを30 g/lと高濃度含有する廃水の嫌気性処理を行った。廃水のVSS濃度が高いため、液化相とガス化相からなる二相式嫌気性消化プロセスを採用した。固定床リアクターを用いて液化の検討を行った結果、VSS消化率で評価すると中温条件 (37℃) に比べて高温条件 (53℃) の方が優れた処理性能を示した。有機物負荷1~2 g/l/dの条件で、約80%のVSS消化率を達成した。液化プロセスからの処理液をガス化するためには、希釈した後にガス化プロセスに供給する必要があった。それでも、80%以上のTOC除去率を達成するのに、1 g/l/dの最大TOC容積負荷しか達成できなか...

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Published in日本水処理生物学会誌 Vol. 41; no. 4; pp. 213 - 218
Main Authors 鷲見, 昭典, 森村, 茂, 竹之内, 仁, 木田, 建次, 重松, 亨
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本水処理生物学会 2005
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ISSN0910-6758
1881-0438
DOI10.2521/jswtb.41.213

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Summary:酵母Pichia pastorisを30 g/lと高濃度含有する廃水の嫌気性処理を行った。廃水のVSS濃度が高いため、液化相とガス化相からなる二相式嫌気性消化プロセスを採用した。固定床リアクターを用いて液化の検討を行った結果、VSS消化率で評価すると中温条件 (37℃) に比べて高温条件 (53℃) の方が優れた処理性能を示した。有機物負荷1~2 g/l/dの条件で、約80%のVSS消化率を達成した。液化プロセスからの処理液をガス化するためには、希釈した後にガス化プロセスに供給する必要があった。それでも、80%以上のTOC除去率を達成するのに、1 g/l/dの最大TOC容積負荷しか達成できなかった。10 mg/lの低濃度のチオウレア存在下でガス化性能は70%阻害されたため、ガス化プロセスの阻害は廃水中に含まれるチオウレア様物質によるものと推察された。
ISSN:0910-6758
1881-0438
DOI:10.2521/jswtb.41.213