アシ植栽人工湿地における排水処理特性およびAGPによる機能評価

窒素、リンのような栄養塩類により湖沼、内湾等の閉鎖水域および地下水等の富栄養化、硝酸汚染等が世界的にも大きな問題となっている。これらの汚濁負荷の大きな要因として生活排水があげられるが, 本研究ではこの排水に着目し、かつ、太陽エネルギーを活用し、低コストで処理が可能な特徴を有する生態工学技法としての人工湿地における処理特性と処理水のAGP (藻類増殖潜在能力) 評価による藻類増殖特性について検討を行った。 人工湿地としてはFWS (表面流方式)、SF (浸透流方式) を対象とした。その結果、窒素、リン除去能は各々SF系で3.74~7.87mg・l -1、0.42~2.41mg・l -1、FWS系...

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Published in日本水処理生物学会誌 Vol. 41; no. 4; pp. 159 - 170
Main Authors 稲森, 悠平, 清水, 康利, 稲森, 隆平, 木村, 賢史, 桂, 萍, 徐, 開欽
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本水処理生物学会 2005
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ISSN0910-6758
1881-0438
DOI10.2521/jswtb.41.159

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Summary:窒素、リンのような栄養塩類により湖沼、内湾等の閉鎖水域および地下水等の富栄養化、硝酸汚染等が世界的にも大きな問題となっている。これらの汚濁負荷の大きな要因として生活排水があげられるが, 本研究ではこの排水に着目し、かつ、太陽エネルギーを活用し、低コストで処理が可能な特徴を有する生態工学技法としての人工湿地における処理特性と処理水のAGP (藻類増殖潜在能力) 評価による藻類増殖特性について検討を行った。 人工湿地としてはFWS (表面流方式)、SF (浸透流方式) を対象とした。その結果、窒素、リン除去能は各々SF系で3.74~7.87mg・l -1、0.42~2.41mg・l -1、FWS系で7.82~35.88mg・l -1、2.75~4.53mg・l -1と大きな差が得られ、土壌中を汚水が浸透するSF系の有効性が認められた。 また、AGP試験より、N/P比により藻類増殖は影響を受けると同時に窒素、リンの中でもPhormidium tenue、Selenastrum capricornutum, Oscillatoria tenuisはリン、Microcystis aeruginosaは窒素が制限になることが明らかとなった。
ISSN:0910-6758
1881-0438
DOI:10.2521/jswtb.41.159