術後20カ月に再発をきたした小腸間膜デスモイドの1例
症例は56歳,男性.2004年9月,小腸GIST疑いで待機手術の予定であったが,白血球数,CRPの上昇,腹部の圧痛を認め,腫瘍穿孔による汎発性腹膜炎の診断で,緊急に腸間膜腫瘍切除,空腸部分切除,腹腔内洗浄,ドレナージ術を施行した.病理組織学的検査で腸間膜デスモイドと診断された.退院後,外来で経過観察としたが,2006年5月,術後20カ月に再発を認め,当科で再切除を行った.再切除後,小腸の広範囲切除により,短腸症候群となったが,内服薬でコントロールされ,63病日に退院した.外来,近医での点滴治療で経過観察としたが,既往のパーキンソン症候群の進行と短腸症候群による栄養状態の悪化により,再手術後5カ...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 69; no. 7; pp. 1804 - 1808 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2008
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.69.1804 |
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Summary: | 症例は56歳,男性.2004年9月,小腸GIST疑いで待機手術の予定であったが,白血球数,CRPの上昇,腹部の圧痛を認め,腫瘍穿孔による汎発性腹膜炎の診断で,緊急に腸間膜腫瘍切除,空腸部分切除,腹腔内洗浄,ドレナージ術を施行した.病理組織学的検査で腸間膜デスモイドと診断された.退院後,外来で経過観察としたが,2006年5月,術後20カ月に再発を認め,当科で再切除を行った.再切除後,小腸の広範囲切除により,短腸症候群となったが,内服薬でコントロールされ,63病日に退院した.外来,近医での点滴治療で経過観察としたが,既往のパーキンソン症候群の進行と短腸症候群による栄養状態の悪化により,再手術後5カ月で死亡した. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.69.1804 |