揺動床を用いたアンモニア性窒素に汚染されたハノイ地域の地下水の硝化処理

高濃度のアンモニア性窒素に汚染されたハノイ地下水の揺動床処理システムによる硝化処理の有効性を明らかにすることを目的に研究を行った。研究には、バイオフリンジを1本装着したリアクタと2本装着した2つのリアクタを使用した。それぞれのリアクタで、流入水のアンモニア性窒素濃度を30mg/lに設定し、アンモニア性窒素容積負荷、水理学的滞留時間をそれぞれ0.24kg-N/m3/d、3.0時間、0.48kg-N/m3/d、1.5時間に維持して連続運転した結果、95~100%のアンモニア性窒素除去率を達成することができた。バイオフリンジ担体の最大汚泥保持能力を明らかにするとともに、バイオフリンジを装着したリアク...

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Published in日本水処理生物学会誌 Vol. 41; no. 3; pp. 141 - 152
Main Authors 小山, 登一郎, 古川, 憲治, 楠本, 良一
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本水処理生物学会 2005
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ISSN0910-6758
1881-0438
DOI10.2521/jswtb.41.141

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Summary:高濃度のアンモニア性窒素に汚染されたハノイ地下水の揺動床処理システムによる硝化処理の有効性を明らかにすることを目的に研究を行った。研究には、バイオフリンジを1本装着したリアクタと2本装着した2つのリアクタを使用した。それぞれのリアクタで、流入水のアンモニア性窒素濃度を30mg/lに設定し、アンモニア性窒素容積負荷、水理学的滞留時間をそれぞれ0.24kg-N/m3/d、3.0時間、0.48kg-N/m3/d、1.5時間に維持して連続運転した結果、95~100%のアンモニア性窒素除去率を達成することができた。バイオフリンジ担体の最大汚泥保持能力を明らかにするとともに、バイオフリンジを装着したリアクタの硝化特性に及ぼすpH、DO、アルカリ度などの影響を検討した。流入水のアンモニア性窒素はバイオフリンジに付着生育した硝化菌の働きで硝酸性窒素に酸化され、流出水中に亜硝酸性窒素が検出されることはなかった。アンモニア性窒素容積負荷が0.48kg-N/m3/dの高負荷域でも、リアクタ内のDO濃度は3.0mg/lを超えていた。リアクタ内のpHは安定して6.9~7.5であり、1 mgのアンモニア性窒素を硝酸性窒素に酸化するのに必要なアルカリ度は6.5~7.5mg CaCO3であった。揺動床処理システムを用いることにより、生育速度の遅い硝化菌を効果的にリアクタ内に保持でき、流出中のSS濃度も3-5 mg/l以下に安定して維持できた。
ISSN:0910-6758
1881-0438
DOI:10.2521/jswtb.41.141