コンパイルエラーメッセージの分類に基づく初学者へのプログラミング学習支援手法

初学者がプログラミング学習を行う際に,ひとつの構文ミスにより複数のコンパイルエラーメッセージが生じると,エラーを容易に除去できず学習を妨げる.本研究では,初学者によるコンパイルエラーの除去作業を支援することを目的に,コンパイルエラー発生時にコンパイルエラーメッセージをその原因により分類して提示する手法を提案する.この手法では,コンパイルエラーメッセージを表示する際に,エラーメッセージに表示されるエラーに対応する構文ミスをインクリメンタルに解消することにより,構文ミスとそれにより発生するエラーメッセージ群を特定する.そして特定した結果に基づき,コンパイルエラーメッセージを分類して表示する.これに...

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Published in実践的IT教育シンポジウム rePiT 論文集 pp. 63 - 74
Main Authors 名倉, 正剛, 近藤, 亮太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ソフトウェア科学会 実践的IT教育研究会 04.02.2023
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ISSN2758-5549
DOI10.11309/repit.2023.0_63

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Summary:初学者がプログラミング学習を行う際に,ひとつの構文ミスにより複数のコンパイルエラーメッセージが生じると,エラーを容易に除去できず学習を妨げる.本研究では,初学者によるコンパイルエラーの除去作業を支援することを目的に,コンパイルエラー発生時にコンパイルエラーメッセージをその原因により分類して提示する手法を提案する.この手法では,コンパイルエラーメッセージを表示する際に,エラーメッセージに表示されるエラーに対応する構文ミスをインクリメンタルに解消することにより,構文ミスとそれにより発生するエラーメッセージ群を特定する.そして特定した結果に基づき,コンパイルエラーメッセージを分類して表示する.これにより一度のコンパイルにおいて多数のコンパイルエラーメッセージが表示された場合に,初学者がデバッグ作業を実施することを容易にする.本手法の有効性確認のため,大学初年度のプログラミング実習講義で実際に発生したコンパイルエラーとソースコードを利用して評価したところ,250 件中 96 件のエラーメッセージ群を分類できた.
ISSN:2758-5549
DOI:10.11309/repit.2023.0_63