マルチ周波数処理Computed radiographyによるパノラマエックス線写真の評価

従来のパノラマエックス線撮影法は, 増感紙を用いた銀塩フィルムを評価するものであり, 管電圧, 管電流などの撮影条件や現像処理に画質が影 響されることが多々見られた1-3). しかしながら, 近年画像処理技術の進歩に伴い, コンピュータを用いたComputed radiography(以下CRと略す)の導入により種々の画像処理が臨床にて可能となった3-7). そのため, 現像処理に画像が影響されることなく種々の画像処理が可能となった. CRの画像処理に関する検討は, 従来から階調処理と空間周波数処理を中心に報告がなされている6-10). なかでも, 周波数処理は画像中の特定の空間周波数成分を強...

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Published in歯科放射線 Vol. 43; no. 4; pp. 184 - 191
Main Authors 本橋, 淳子, 小椋, 一朗, 大島, 佑之, 加藤, 正隆, 金田, 隆, 山城, 光明, 森進, 太郎, 岡野, 芳枝, 李, 光純
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会 30.12.2003
日本歯科放射線学会
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ISSN0389-9705
2185-6311
DOI10.11242/dentalradiology1960.43.184

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Summary:従来のパノラマエックス線撮影法は, 増感紙を用いた銀塩フィルムを評価するものであり, 管電圧, 管電流などの撮影条件や現像処理に画質が影 響されることが多々見られた1-3). しかしながら, 近年画像処理技術の進歩に伴い, コンピュータを用いたComputed radiography(以下CRと略す)の導入により種々の画像処理が臨床にて可能となった3-7). そのため, 現像処理に画像が影響されることなく種々の画像処理が可能となった. CRの画像処理に関する検討は, 従来から階調処理と空間周波数処理を中心に報告がなされている6-10). なかでも, 周波数処理は画像中の特定の空間周波数成分を強調することが出来, それまでのスクリーン/フィルム画像と比較して鮮明な画像が得られる6), 7), 9). その従来の周波数処理をさらに発展させ, より良い強調を実現できる新たな画像処理としてマルチ周波数処理が開発された. マルチ周波数処理は従来の周波数処理とは異なり, 周波数帯域ごとの強調度のコントロールが可能である. 従来処理に比べ強調特性をより柔軟かつ精密にコントロールすることが出来るため, さらに観察しやすい画像が得られると報告されている11). 本研究は, パノラマエックス線画像に対する最適なマルチ周波数処理条件について検討した.
ISSN:0389-9705
2185-6311
DOI:10.11242/dentalradiology1960.43.184